災害復旧に向けたアシストスーツの無償貸出しの取り組みを紹介します

 この度の令和6年能登半島地震により、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、被災地域の皆様の安全確保と被災された皆様の生活が一日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

下記のとおり災害復旧の作業にあたってアシストスーツを使っていただけるよう無償での貸出しを実施される取り組みについて紹介いたします。
被災地の復旧作業における重作業において、アシストスーツを利用することでカラダの負担軽減や作業スピードを落とさずに作業遂行が期待できるでしょう。

国内で毎年のように発生する大規模災害において、災害時におけるアシストスーツの研究と実用化が進んでいます。
過去の大規模災害の際にも、アシストスーツメーカー各社から災害救助隊員や被災者へのアシストスーツの提供が行われました。

特に重い物体を取り扱ったり、長時間の肉体労働を必要とする倒壊住宅の後片付け作業において、作業者の体力を補助し、安全性と効率性を向上させるのに役立つことが期待されます。ただし、アシストスーツを使用する際には、訓練と適切な指導が必要であり、安全を確保するために慎重に計画と実施を行うことが不可欠です。

ご紹介する無償貸出しは、被災された方やボランティア活動に関わる方に向けた取り組みとなっています。
住民の方やボランティアスタッフがアシストスーツを試用することで、疲れの程度を抑え、寒冷環境での重作業による腰痛リスクの低減、作業スピードのロスを防ぐことが期待できます。

とは言え、アシストスーツの使用経験がある人ばかりではないはずです。
実際の作業実施や貸し出しの申込決断について、アシストスーツに慣れていくことも必要かと思われます。
効果的にアシストスーツを活用するためのポイントについて、自治体への災害支援について詳しい専門家にお話を聞きました。

この方に聞きました

株式会社ロボットコネクト
代表取締役 末廣 祐弥 氏


自治体が災害時、復興作業時等にロボットを活用することを支援する専門家。
NPO法人ロボットビジネス支援機構が行う災害時支援協定の窓口を担当している。
 
元消防士

災害現場でアシストスーツが活用できるタイミングですが、
「各自宅の災害廃棄物を住居から搬出する作業」が一番需要があるでしょう。
この作業は基本的には現地住民とボランティアで行われます。

貸出しのタイミングは、通常のボランティアが現地入りできるタイミングに合わせて準備できるとスムーズな受け入れに繋がります。
今はまだ募集されていないので、2月初旬あたりから募集が始まると思われます。
イメージとしては被災自治体が長期で借りて、「地元住民やボランティアに貸出しを行う」か「ボランティアに行く団体に活動時に貸出しを行う」感じになろうかと思われます。

やはり使用のイメージがつかないと活用は難しいでしょうが、作業される住民やボランティアの方が使ってみて活用できると分かれば広まっていくと考えています。
平時では毎日の着脱が面倒だという意見もありますが、災害復興時では、短期間しか使用しない上に普段持つものより重たいものを移動させなければならないので、需要はあると思います。

貸出しが円滑に進むポイントとしては、ボランティア団体や住民の方の作業を取りまとめる自治体の方がアシストスーツの活用イメージを持てると復旧作業でのアシストスーツの使用が進みそうに思われます。
当サイトを通じて、取りまとめを担う自治体の方に届くように発信をしていきたいと思います。

アシストスーツの使用イメージを持ってもらう

アシストスーツをどのような場面で使用するか、という点はイメージ化しておく方が良さそうです。
今回の無償貸出しの取り組みでは想定の対象作業は、

・力仕事の補助(片付け、家具運搬等)
・中腰姿勢(物資運搬等)
・上腕や腕に負担のかかる状態での作業(電線、壁の修復等)
・一定の位置での立ち仕事(窓口業務、誘導等)

となっています。

特に片付けや運搬でのアシストスーツは作業者の負担を減らしてくれることでしょう。

アシストスーツを使用が期待できる作業場面と注意点

以下に、倒壊住宅の後片付け作業に関する一般的なステップと注意事項を示します。

・がれきの除去
 アシストスーツは、作業者の筋力を補助し、がれきの除去作業を行う際に重要な役割を果たすことができます。重いがれきを持ち上げたり、長時間の作業を支援したりする際に、作業者の体力を節約し、効率を向上させます。

・貴重品の回収
 アシストスーツを装着した作業者は、倒壊住宅内に残された貴重品や重要な文書を回収する際に、物品を持ち上げる作業においてアシストを受けることができます。

他には、

・構造物の安定化と修復作業
 地震や台風などで損傷した建物や橋梁の安定化や修復作業において、アシストスーツは重い建材の持ち運びや作業の際の体力サポートを提供します。
・復旧作業の高速化
 電力線の復旧や水道管の修理など、インフラの復旧作業においてもアシストスーツは有効です。
・長期的な復興支援
 災害後の長期的な復興作業において、アシストスーツは継続的な作業の支援を提供し、作業者の疲労を軽減します。

などがありますが、
慣れない作業環境ではアシストスーツを装着した自分の動き方にも順応が必要になってくるでしょう。

せっかくの貸出し取り組みを、漏れなく・装着することの抵抗感を少なく・カラダを壊す人がなるべく減るように、何とか円滑に進むことを願っています。

災害復旧の向けたアシストスーツの無料貸出しの取り組みが円滑に進められていくようにお手伝いできることを願っています。

作成者:逢坂大輔(持ち上げ支援専門家)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!