5.腰痛リスクの把握

腰痛リスクの把握に向けて

作業に起因する腰痛の主な原因としては、次のように考えられています。

~腰痛診療ガイドライン2019~

  • 重量物取扱い作業に従事していると、慢性腰痛へ移行しやすい。
  • 身体的負荷の大きい重労働は腰痛発症の危険因子と考えられ、腰痛と職業に関するエビデンスは中等度である。
  • 重量物を持つ労働、リフティング作業に腰痛発症との相関を認める。
  • 腰椎屈曲、回旋、前方移動を伴う身体的な動きに腰痛発症との強い相関を認める。
  • 重量物の重さと持ち上げの頻度は有意に腰痛発症を増加させる。

また腰痛リスクを減らす取組としては、次の内容が挙げられています。

~職場における腰痛予防対策指針~

  • 体重の40%(女性は24%)以上の重量物を一人で扱わない。
  • 重量物を扱う作業に復帰するには、荷を徐々に重くして、対象者の自信を向上させる。
  • 作業強度、時間、頻度のうち、どれが影響しているかを考慮する。

腰痛リスクの見える化へ

作業と腰痛の関係性について、どのような状況であれば腰痛が発生しやすいのかということを理解することが大切です。
このような腰痛リスクについて、リスクの見える化ができるツールを紹介していきます。

OWAS分析

OWAS分析法(Ovako Working Posture,Analysing System)とは、フィンランドで開発された作業姿勢の分析方法です。

4つの項目の状態を判定していきます。

  • 背部
  • 上肢
  • 下肢
  • 手腕部の負荷(かかる重さ)

これらの状態について分類し総合的に判断して、4つのアクションカテゴリ(AC)で判定していきます。

AC1:この姿勢による筋骨格系負担は問題ない。改善は不要である。
AC2:この姿勢は筋骨格系に有害である。近いうちに改善すべきである。
AC3:この姿勢は筋骨格系に有害である。できるだけ早期に改善すべきである。
AC4:この姿勢は筋骨格系に非常に有害である。ただちに改善すべきである。

各項目とそれぞれのアクションチェックは下表のようになっています。

OWAS分析法について詳しくはこちらよりご覧ください
↓   ↓   ↓

エイジアクション100

エイジアクション100は、高年齢労働者(50歳以上)の安全と健康確保のための100の取組(エイジアクション)を盛り込んだチェックリストであり、職場の課題を洗い出し、改善に向けての取組を進めるための「職場改善ツール」です。

最新バージョンは2021年3月に改訂されたチェックリストです。

1.高年齢労働者の安全と健康確保のためのチェックリスト
2.高年齢労働者の安全と健康確保のための職場改善計画
3.高年齢労働者の安全と健康確保に役立つパンフレット等のリスト

という仕組みになっています。

チェックリストには、中高年労働者に多いとされる転倒防止や歩行に関する項目が盛り込まれいていますが、全年齢をじて発生する傾向にある腰痛予防についても活用していくことができます。

エイジアクション100を活用して、作業場の現状についてチェックしてみることをおススメします。

リスクを適切に把握する

見える化ツールによって適切な腰痛リスクの把握を行っていくことが大切です。
腰痛予防対策に取り組むみなさんにとって、自分たちで取り組みを進めていくことはとても大切です。
そして外部の専門家を招いてアドバイスを受けることで、皆さんの取り組みはさらに素晴らしいものに進化していくことでしょう。
アシストスーツの窓口は腰痛リスクの見える化をサポートし、適切なアセスメントによってみなさんの作業場に適した腰痛予防対策を一緒に考えていくことを行っています。

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もっと詳しく知りたい方にはこちらおススメです。

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