4.腰痛課題の抽出

腰痛課題を抽出する

職業性腰痛の防止策には、腰痛の発生を抑えることと腰痛持ちの作業者数を減らしていくことが重要です。
ここでは、みなさんの職場での腰痛の現状について知る方策について紹介をしていきます。

1.作業員アンケート

作業に従事している本人に直接行いましょう。質問紙法を用いる方が記録に残すことができ管理がしやすいでしょう。
最近の手法としては、Webアンケートフォームを作成し専用の読み取りコードから回答してもらう方式がお互いに管理も楽なようでおススメです。

主な項目
・腰痛の有無
・いつから腰痛があるか
・腰痛は作業が関係しているか
・治療はしているか
・仕事での対策はしているか

わかること
作業員の現状や作業への負担の捉え方などを知ることができる。
腰痛持ちの対象者をピックアップして有効な対策を立てやすくなる。また、個人的な腰痛への対策も把握することができます。

2.作業現場ヒアリング

作業の現場で実際に抱えている課題についてヒアリングを行いましょう。
作業員ごとの特性や作業環境の捉え方など、様々な視点からヒアリングをしていくことがポイントです。

主な項目
・各作業員が捉えている重作業の有無
・作業頻度や心理負担程度の把握
・腰痛への対応策の有無
・作業姿勢の実際
・改善を要望する項目

わかること
作業ごとに重作業と考えている作業員の割合や重作業の実際について知ることができます。
現場作業員からの改善提案が出てくることも期待できます。
作業員への負担のある作業について認識の整理ができます。作業員アンケートでは把握しにくい現場のリアルな声が浮かび上がってくることでしょう。

3.ウォークスルー調査

一連の作業を把握して、作業ごとの腰痛課題を統合していきましょう。
アンケート結果と現場ヒアリングの情報を基に実際の作業環境をチェックしていきましょう。

主な項目
・重作業についての掘り下げ
・作業員ごとのバラつきの把握
・作業姿勢や動きの確認
・作業環境の確認
(室温・照度・振動・床面などの管理、作業台や椅子などのエルゴノミクス的調査、5Sの徹底 など)

わかること
実際の作業場やその作業環境と作業員の現状を俯瞰的に捉えることができるでしょう。
部分的な対策を統合することで作業場全体としての腰痛予防対策の策定へと進めていくことができます。

4.フィジカルチェック(体力テスト)

作業負担の軽減や作業環境の改善と併せて、作業員のコンディションを整えることも重要です。
フィジカルチェックの実施によって、作業員の身体的特性や状況を把握することができます。
実は、作業者のコンディションを整えることはハードへの影響も少なくコストパフォーマンスにも優れている方策なのです。

主な項目
・姿勢チェック
・柔軟性テスト
・筋力テスト
・バランステスト

わかること
フィジカルチェックによって作業者の現状把握と改善項目を知ることができます。
男性作業員でも年齢別の注意点が表れてきます。女性では特有の数値が表れる傾向にあります。これから注意しておいた方が良いポイントなどを各自が知ることもできます。
あまりに体力がない作業者は該当する業務には従事できない可能性もでてくることでしょう。

得られたデータの対策

得られたデータを整理して、腰痛予防対策の立案へと進めていきましょう。
これまでに抽出した情報をもとに、個人が実施する対策職場で取組む対策、の2つを立案し実行できる段階まで進めていきます。

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もっと詳しく知りたい方にはこちらおススメです。

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