【ユーザーインタビュー】アシストスーツを使い倒す若きブドウ農家さん

アシストスーツは単体で使うもの!と思ったりしていませんか??

腕用アシストスーツと脚用アシストスーツを同時に着用して身体への負担を減らし、作業をはかどらせることを実現しているブドウ農家さんが山形県米沢市にいらっしゃるということで、実際の着用についてやアシストスーツへの印象などを聞いてみました。

若きブドウ農家
島軒正陽さん(32)
島軒果樹園

メーカー代表
近藤尚也さん
株式会社ダイドー

メーカー代表
西 裕貴さん
株式会社ダイドー

聞き手
逢坂大輔
シーエフロボタス

島軒正陽さんのアシストギアセッティング紹介:
 ・上向き作業用アシストスーツ:TASKAR3.0 ダイドー社製
 ・立ち作業用アシストスーツ:アルケリス アルケリス社製
 ・ファン付き作業ベスト:空調風神服2022年型 
 ・ハサミ:充電式剪定はさみ PPD-1825 KOSHIN社製

板前からブドウ農家へUターン就農

逢坂
対象部位の異なるアシストスーツを組み合わせて、うまく使いこなしている方がいると聞きました。

島軒正陽さん(以下、島軒)
5年前からブドウの栽培を始めました。実家は私が3代目になるブドウ農家ですが、そのまま実家を手伝わずにしばらく板前をしていました。そこで海外に行く機会もあってワイン用ブドウと関わるようになり、向こうで栽培や醸造の場面に触れ、ブドウってこんなにいろんな人に愛されてるんだって感じたんです。
それからUターンで帰ってきて就農したブドウ農家です。
ですから最初からブドウを作りたいっていう感じではなくて、世の中を見てきて結果的にやっぱり自分に合ってるのがブドウだったんだなっていう感じですね。

逢坂
アシストスーツを使うきっかけについて教えてください。

島軒
趣味でロードバイクに乗ってたんですが、落車してしまって肩を脱臼しちゃいました。2019年のことでした。
骨が飛び出るぐらいに脱臼をしてしまって、それが7月の一番忙しい時で。もう一番忙しいときに駄目になったわけです。それでどうしようかと…
現場に出れなくて何ができるかってなったらやっぱり仕事を簡略化させたり効率化させることを追求していく必要があって。それまでは体力任せにごり押しで何でも作業ができたんですけどね。体力もあったんで。

逢坂
怪我がきっかけになったのですね。

島軒
怪我をしたり身体を痛めたりして歳をとると作業が出来なくなるんだろうなと思いました。アシストスーツの検討を始めたのはそこからですね。インターネットで色々と検索していくつか試してみました。
お試しに使ってみたものから、アシストスーツを使用しているとだんだん勝手がわかってきて、脱臼した肩でも何とかその年は仕事ができたんですが、欲が出てきたというか、もっと性能が良くて使えるやつが欲しい、となってきて、ダイドーさんの腕上げアシストスーツを補助金で3台ほど買わせていただきました。
それが2020年の事ですね。

島軒
もう、復帰したときは「やばい体が壊れる」と思って、とりあえず片っ端から検索して、でもうまく検索できなくて…オーストラリアの軍事スーツみたいなものが上がってきて、訳もわからず英語で海外にアクセスしたんですけど、オーストラリアからは「機密情報なんで売れない」と言われました。
私の調べ方だと、腕を助けるスーツみたいなのにはたどりつけなかったんです。
今はSNSとかWebサイトでも検索できるようになって情報へアクセスしやすくなってきているみたいですね。

逢坂
YouTubeでアシストスーツを着けている姿がありますが、あれってお知り合いの方とか全く知らない県外の方とかからも何か聞かれたりしますか?

【株式会社ダイドー 公式チャンネル】より

島軒
反応ありますよ。何これ?ってコメントがあって、DMいただいたりもしましたね。
やっぱり同業の方は興味を持っているみたいですね。
ただ価格の面でなかなか手を出しづらい面はあると思います。
私の場合は米沢市の補助金が活用できたタイミングでした。
新しい事業に対して米沢市は出してくれやすい状況があってそれが追い風になったんですね。
他の地域だと確か補助金はいただけなかった。
隣町だと確かアシストスーツには補助金は出なかったはずだから地域によりますね。
この米沢の地域は元々50件ぐらいブドウ農家があったんですけど今はもう10件以下になってしまってだいぶピンチな状態なんですね。
その中でも若い人はもう3人、4人くらいしかいないって。もっと頑張らなきゃいけないんすけど…

逢坂
怪我をされたからこそ、腕を上げる負担を減らして、長く就農して仕事できるようにならないと駄目だなっていうふうに感じたということですね。

脚用アシストスーツで立ち仕事が格段に変わる

逢坂
脚のアシストスーツはいつから使用していますか?

島軒
脚は今年からです。
脚と腕上げのアシストスーツはセットにして使っています。
ブドウ栽培については、質の良いブドウを育てていくという目標と、生涯にわたってブドウを育てていくという長めの目標の2つを考えているんです。
まずブドウの性質と価値を上げるのと生産量も上げていく。そして大量に均一の質で生産できる体制を作る。
高品質の大量生産っていうのを短期として考えていて、長期的には生涯現役でやっていけるスタイルが目標で脚のアシストスーツも導入してみました。
長期的にっていうのは孫や子供たちとブドウが作れればいいなーっていう感じですね。それにはやっぱり怪我をした体がいうことを聞いてくれるようにしておかないと、と思っています。
今年のブドウの出来については、品質自体はすごく良く作ることができました。ただ天候に恵まれず、今年は不作だったので何とも対応し難い状況でした。結果が出たかって言われると曖昧な返事しかできないのですが。ただかなり楽に作業をすることができましたね。

今年は5ヶ月以上この感じで作業を。疲れにくく、アシスト効果を実感している。

逢坂
脚の方もずいぶんと楽になるようですね

島軒
脚もとても楽ですね。座るというかお尻と膝でもたれられるようになるので、立ち姿勢がとても楽です。だから園地にいる時間がすごく長くなりましたね。ブドウと向き合う時間が増えて手間暇をかけられる時間が増えました。さらにずっと手も上げてられるので、もうとっても楽ですよ。

アシストスーツを使う頻度は? 

島軒
基本的には腕上げアシストスーツの方はもうずっと使ってます。毎日使ってますよ。
上向きの作業の時以外にも、座ってる作業でも使ったりします。
肘を載せる感じになるので、選果作業にもぴったりですよ。デラウェアとかいじる作業で使ってます。めっちゃはかどりますよ。
もう使ってないときと使ってるときを比べてみると圧倒的に作業した量が違います。

ファン付きの作業ベストも助かりますよ。あれをつけてないと汗だくになっちゃうんで、ファン付作業着はアシストスーツと組み合わせる必須ツールだと思いますね。

逢坂
併用しても違和感は感じませんか?

島軒
僕は全くないですけどね。写真のような感じでずっと夏場は付けています。

大きめのサイズ選択でアシストスーツが良い感じに収まる

逢坂
ここまで組み合わせて使用されているとは、想像以上でした。

島軒
慣れたり使い方を工夫するのに時間は必要でしたね。
時間は必要だったんですけどでも最初っから効果は実感できましたよ。
ですので最初に使って、どうすればもっともっといい使い方になるかなっていうふうな考え方をしているんですかね。もうアシストスーツなどのセッティングは完成形にはなったのかなと思っています。

世代で違う!?アシストスーツの受入れ

島軒
ただ不思議な話なんですけど、やっぱり若い人はつけてくれるんですけど、年配の方は着けていただけないことがあります。私の父親なんて全く使いません。こういう人もいるのかって思いながら。

逢坂
そんなの必要ない、って感じですかね…
若い人はどうして受け入れがいいんでしょうか?
楽さは実感されると思いますが。

島軒
うちで働いてくれてる人は私から強制的につけさせられるから。(笑)
楽さは実感してくれてるはずですね。その作業の時に来てもらったとき毎回貸してくださいってなるので。
よしよし、やっぱり買ってよかったなっていう。

逢坂
アシストスーツは年配の方の負担を減らすっていうところももちろんあります。
あと女性とか小柄な方のパワーを補うっていう役目もあるんですけども、島軒さんのように30代、まだまだ現役バリバリのお若い方でも、体を痛めないようにアシストスーツを使っていくっていう、そういった使い方はこれからのスタンダードにしていきたいなというふうに我々の立場も思っているんです。

作業がはかどる!量をこなせるようになる!

逢坂
腰用のアシストスーツは使っていますか?

島軒
ワイン用ブドウの運搬で腰もきつい時がありますよ。
カゴで20キロ前後のものを何百回と運ぶんで、去年までは全く大丈夫だったんですけど、だんだんとキツくなってきています。肩だけじゃなくて腰もやっちゃうとマズいな、と思ってます。
これは運ぶ担当の人とかがいてもいいですよね。全部1人ではできないと思ってきてて、働く環境とか人とか、1人ではちょっと無理だなって感じるようになってます。畑が大きくなればなるほど、事業を大きくしていくには早急に解決しなきゃいけない問題だなっていうのは思いますね。
10年以内にはそういう問題には取り組んでいかないと、取り残されていくんだろうなと思いながら。歳をとってブドウの栽培をやめなきゃいけなくなるっていうのは悔しいですからね。
私が歳を取ったときに若い世代とか自分の子供とかに誇れるような園地作りはしていきたいですね。

逢坂
仕事の量と、内容の見直しが必須ですね。

島軒
アシストスーツを使うと長い時間でもずっと手を上げてられます。脚用アシストスーツで立ち仕事が立ち仕事じゃなくなってくるんで、とても助かりますよね。
やっぱり疲れ具合はかなり少ないです。こういったアシストギアが有るのと無いのでは全然違いますね。

逢坂
となると、生産性っていうのは上がってくるし、上げられるかなっていう期待が持てますよね。
ちょっと規模を大きくできるかなっていうふうな見通しが立てやすくなって、収入としても増やせられるかなと。

島軒
全然変わります。1人の生産量、いじれる量が全然変わってきますね。
今は私ひとりで上下のアシストスーツを着けていますけど。これ2、3人が着けたらもうとんでもないなと思いながら。

逢坂
ホントですよね。単純に×3人じゃないのかもしれませんね。

島軒
今年は特に2~3人分はひとりで働いたと思うんです。
ブドウの年としてはあまり良くなかった。良い房に限って割れたんです。
だから一つの房を本来であれば2回か3回で終わるところを、4回か5回触ったわけなんです。
いつもの年の3倍以上粒抜きとか腐れ取りもしたんで3倍くらいははさみ入れてた感じですね。
良くない年ながらよく頑張れたなと振り返っています。
ここまで作業を続けられたのって、やっぱりアシストスーツあってのものだったと思います。そうしなければ多分諦めざるを得なかった部分はかなり大きかったはずです。

逢坂
まず何より気が滅入っちゃいますよね

島軒
気は滅入ってましたよ(笑)
でもそういう中でもやれたので、かなり勉強にもなりましたよ。あとは来年頑張ろうってなりました。
怪我した体についても、再発は全くなく、結構致命的な脱臼だったんですけど快適に今年は作業できました。
おそらくアシストスーツの効果はもう120%以上得られてます。
やっぱりいいものはいいと発信していきたいですね。

比べて試して、アフターメンテも大事なポイント

逢坂
メーカーさんに求めたいことってありますか?

島軒
軽いのが一番いいと思います。
ダイドーさんの腕上げアシストスーツを補助金で買った理由は軽さでしたね。しっかりと下調べをして選びました。怪我したときに2・3ヶ月間はずっと自宅で身体を休めるしかなかったので時間はありました。あとは園地で座りながらスマホいじるしかないのでかなりの量のアシストスーツを調べることができました。
中にはちょっと重いな、っていうのとか、あと電動よりは電動じゃない方を選んでました。永久機関じゃないですけど、そういうのが欲しかったんですね。

島軒
実は僕、壊れたときも経験してて、試しに使っていた製品が壊れたときもあったんですよ。バネが飛んじゃった感じでした。自分で修理しようとできるならパーツだけ送ってくださいっていうのを連絡したところ、到着まで2週間ぐらいかかってしまって。使えない期間が長くなると困っちゃいます。正式購入はちょっと見送ろうということがありました。
あとは細かい部分かもしれませんが、調節するときのパーツなんですけど、サイズ調整するときにネジを回さなきゃいけない製品があるんですよ。それって現場の使いこなす立場としては非常に手間暇かかるというところがあって、そういう面も含めていま使っている腕上げ用のアシストスーツはプッシュボタン1つでサイズ調整できるのですごく快適です。
実は今使っているアシストスーツも今年壊れたんです。連絡したらすぐにネジを送ってくれたので、やっぱりメーカーによって対応の仕方が違うんだなーと実感しました。速い対応はすごくありがたかったです。

逢坂
ダイドーさんは、なるべく迅速に、みたいなモットーをお持ちでやられてるんでしょうか?

近藤尚也さん/ダイドー(以下、近藤)
そうですね。スピーディーな対応はメーカーが直販してるところの良さと表現できるかと。現場と営業とがとても近いので、パーツ交換であったり何か不具合があったときに、それ自体の対応に加えて設計に相談したり開発や生産で協議したりと総合力みたいなところを評価していただきたいと思いながらやってる部分はあります。そちらがうまく伝わって、評価していただいてるのは非常にありがたいなと感じています。
アシストスーツのメーカーさんでも作ってるのは外に出してるとか、そういうところだとなかなかそういうこともできないと思いますけど、うちがメーカーでやっていく以上はそういうところを強みにしていけたらいいなというふうには思っています。

逢坂
アシストスーツってこれからの製品なので、サポート体制っていうのは選ばれる条件としても大事ですよね。まだそこに注目はあまりされてないかなっていうところもあるので、ここはメッセージとして、アフターフォローをちゃんとしてるところを選ぼうっていうふうなのはぜひお伝えしたいポイントですね。

島軒
今後10年で市場っていうのは大きくなってまた違うようなスタイルになると思います。
そう考えるとやっぱ期待しかないですよね。メーカーさんの方には。

逢坂
今回のインタビューみたいな感じで使い方を皆さんに知っていただこうっていう様な特集も必要かなとは思います。
製品スペックだけじゃない情報、例えば細かい使い勝手やアフターフォロー体制とかも非常に大事になってきますね。

体にフィットで集中して作業できる

島軒
腕用アシストスーツでも、ベルトがあるタイプと無いタイプのものがあるんです。僕のブドウの生産現場の性質上、ベルトはあった方がいいんです。僕はベルト推しです。

逢坂
それは安心安定感とか何かそういうのが違うんですか?ベルトがあると。

島軒
ベルトがあると細かい調整できるんで。

逢坂
要は体にジャストフィットしやすい?

島軒
そういうことです。だからもう仕事に集中できるんです。座っているときの作業でもベルトがあることによってもっと楽になるんですよ。

逢坂
体との一体感がよりある方が、余計なことに集中力を注がれなくて済むっていうことでしょうか?

島軒
ですね。もう人馬一体のような。今年はもうしっかりと使いこなせたはずです。

逢坂
でもメーカーさん的には難しいですね。あんまりフィットさせすぎると窮屈だっていうふうな声になっちゃうし。その辺のさじ加減が難しい。今の安定感とか一体感っていうお話については、メーカーさんとしては大変ご苦労された点ではないでしょうか?

近藤
調整については、調整しろを残しておいてしかも調整を容易にするっていうところはこだわってはいます。ただ一方で、いろいろ動かすことができるからこそちゃんとつけられない人もいらっしゃる。ここって難しいなとなるのですが。最近リリースしたタイプの方っていうのは、サイズ展開があって調整しろを少なくして、ある程度これでつけてくださいねっていうふうにしてるんですけど、一方でこういうふうなお話を聞くと、やっぱりきちっと調整ができるようにした方がいいんだなって思うので、どっちに向かっていこうか悩んだっていうのは、今お話聞いてて改めて思ってるところですね。

逢坂
でも今の二つのラインナップでちょうどいいんじゃないですか。

近藤
そうですね結果的にそうなのかもしれません。調整しろ、というのをやっぱりしっかり残していく。なおかつそれが複雑にならないようにっていうところで改良していくのが、今後の課題かなと思うんですね。

逢坂
めちゃくちゃ微調整できるんですって言ってもすごく手間かかってしまうのも困りますよね。先ほどのサイズ調整のビスでもやっぱりユーザー目線かどうかっていうところだと思いますよね。
メーカーさんに1年間使用してみての感想というところでいくと、手早く調整ができるんで非常に良かったっていうふうな感じでお伝えしておきましょうか。

島軒
間違いないですそれは。(笑)

アシストが必要なのは腕や脚腰だけじゃない

逢坂
こちらの作業スタイルですが、脚用のアシストスーツを使うことで多分腰の痛みもこれ少なくなるんじゃないのかなと思って見ていました。
あの腰袋って何キロぐらいあるのでしょう?

島軒
量ったことはないですがどれくれいだろう?2・3キロかな?
ハサミ自体が500グラム以上あるんです。
ハサミだけで1キロぐらいあるんでバッテリーとか含めればもうちょっとあるかな。
※後日計量したところ腰の装備で4.5キロありました。

逢坂
あのコードで繋がってるハサミ、電動なのですね。

島軒
電動です。もう道具はそっち系になっていくと思います。全ての農作業に限らず、人力で行う繰り返し作業っていうのは大変で、電動や他の方法ででもアシストしてくれる製品が増えてくると思っています。
僕はそういうアシストギアにはしっかりと投資して良いものを早く導入していきたいと思ってます。

逢坂
あのハサミが電動になるっていうことは、それだけの回数をやるっていうことですね?

島軒
そうですよ。大変だったんですよ今年は特に。

逢坂
3倍の作業でしたっけ?

島軒
もう確実に普通の人の3倍以上やってたと思います。

逢坂
その作業だけでも指を痛めちゃいそうな感じですよね。

島軒
本当にそうです。去年は電動のハサミじゃなくって、自力でやってたんですよ。仕事以外でも手がずっと震えてて。僕握力60kg以上あるんですが、測ってみたら20kgぐらいになってました。人力でやり続けると大変です。でも今年は本当に元気なんで、ここまで出来たかなと思いながら。

逢坂
バッテリーとか入ってる重さの腰袋を付けるだけでも腰痛になる人はいますね。

島軒
多分蓄積だと思うので腰痛になっちゃいますよね。
何にも考えずに、アシストなしでやってたら、10年も身体はもたないんだろうなと。
もう若さにかまけてたところもあるので

逢坂
本当にその通りだと思います。

導入補助で積極活用を実現

島軒
あとは施設にお金をかけるというよりは、今資材の値段がすごい上がってて、ハウス建ての値段って2倍近くになってるんですよ。施設にお金を投資するよりもアシストスーツで2人に100万円かけた方が、安くはないですけどでも作業ははかどりますよね。だから施設に1000万以上投資するよりもだいぶお財布にはいいですよね。助成金も出やすいですし、町によっては。

逢坂
助成金はやっぱりうまく活用していた方がいいですよね。

島軒
うまく活用したいですね。助成金や補助金とかもあればそれだけチャンスは巡ってきますね。うん、僕はそれで投資させてもらった部分もあるんで。

逢坂
助成金の活用については我々も情報発信をしていって、導入のハードルを下げて使ってもらえる方を1人でも多くっ増やそうと思っています。

若い人こそアシストギアで快適作業を追求

逢坂
痛めている左肩の方はもう大丈夫なのでしょうか?

島軒
日常生活は全く問題ないです。怪我したときに手術するか、筋トレしてムキムキになるかどっちかだって言われたんですよ。僕もトレーニングをしていたので体力はあったんですよ。
 それで、フィジカルごり押しで仕事とかしてた面もあるんですけど、そのときに選択を迫られたんですね。今もベンチプレスとかもジムでやっています。全然大丈夫です。
おそらくアシストスーツがなければ仕事の疲労が解消されずに、トレーニングに向き合えるような状況にはなってなかったと思います。

島軒
腕を上げて作業することで脱臼するかなと思ったんですけど、全然そんなこともなく、うん。

逢坂
それはよかったです。
棚下の作業って、腕をあげる姿勢がつまり肩関節の脱臼誘発ポジションに近づいちゃうので、脱臼経験者としてはちょっと怖いですよね。
やっぱりけがをして身体を痛められたからこそ気づくっていうところがお有りかと思うんですけども、

島軒
若いからと言っても体壊してからでは行動する範囲も狭くなると思うんで。 楽できるのがあるのであればした方がいいっていうのはと思いますね。無理は禁物ですね。

逢坂
業界的に年配の方っていうのはまだまだ体力自慢で、体を酷使するっていうふうな考えが多いかなと思うんです。どこの業界でもあるお話のようなんですが。

島軒
僕の年齢はすごい微妙な立ち位置になってると思うんです。楽な作業を追求したい人と今までのやり方でやってきた人。ただどっちが残ってくのってなったらやっぱり息が長い方が残っていくと思うんですね。
あとは20年30年先の明るい市場を目指して、僕もブドウっていうのは作っていきたいんで。そのときに若い人がいなければ市場が育たないですよね。20年後は今60の人たちってもうあまり仕事はできないと思うんですよ。できる年代の人たちが力仕事などを担っていくわけで。
だから若い人にこそつけてほしいですけどね私は。

逢坂
怪我をしたからこそ若いうちから身体をいたわる作業を身に付けようということですね。

島軒
アシストスーツなどは、ダイドーさんの製品も他のメーカーさんの製品も最寄りのストアで簡単に買える商品ではないので、やっぱ探して探し追い求めて手に入れるものだと思うんで、そういうのを僕も作っていきたいんですね。やっぱり喜びもあると思うし。
だから商品作りは楽しいですよね。僕もそういうのを発信していくような立場にはなりたいんですけど、まあ、あくまで私はブドウの生産現場の人なので。

逢坂
今でも顔の見える生産者みたいななんかよくあるじゃないすか。

島軒
これからはもっとそういうふうになっていくと思います。僕も直接買っていただくっていうのはありがたいです。うちはショップっていうのはないんですけど、取引先だったり近場の人たちに直接買ってもらっていて、うん大量に作っても足りてない状況なのでまだまだ大きくできるなっていう感触はありますね。だからこれからも頑張っていかなきゃいけないっていうのはやっぱりあります。

逢坂
ということは品質良く効率よく大量に生産が可能な体制に。良い意味での大量生産ですかね。それを保つことができるそういった栽培の仕方を作っていきたいなということですね。
その栽培方法や運営をしていく上でアシストスーツ、アシストツールというのは非常に役に立つ存在かなというふうな、そういう考えです。

西 裕貴さん/ダイドー(以下、西) 
島軒さんのところは家族経営っていうことですが、お父様の方は、アシストスーツ使わないよっていうスタンスでとお聞きしましたが、奥様の方はお手伝いとかもされたりするんですか?

島軒
私の妻は補助には入らないんですよ。もう家族経営っていうのはこれから伸びないなって思ったのは、それが一つなんです。農業の嫁に入ったからといって、農業しなきゃいけないっていうのはないですっていう風になっていますね。
だからこそ人を雇っていく方向にしなきゃいけないっていう事情があります。もしも家族が農業一緒にやりたいって言うならばまた話は別なんですけれども、全然そういう感じでもないところもあるようです。

西
従業員の方を確保するための手段としてアシストスーツを複数保有しておくということも検討されているのでしょうか?

島軒
そうなんです。いまは手持ちのうち3台がずっと稼働しています。4台目までフル稼働するときもあるんですけどそれは年に数えるほどの状況です。でもその1年に何回かのフル稼働を数ヶ月ぐらい伸ばせるようになったらそれは本当に私の取組みでは成功に近い状態になるかなって思ってます。その上でね、子供たちとかが私の子供やその若い世代がうちで働いてみたい、やってみたいっていうのが増えたらそれが多分僕の人生の成功なのかなと思っております。

逢坂
働き手の確保は本当に大変になっていると各方面から聞きます。こういうアシストツールを使ってこれからの時代の農業をやっていくぞ!みたいなのがアピールポイントになると思っています。
今回企画した使いこなしている達人インタビューや各地で特集されているスマート農業の取り組みなども働き手への良いPRになると良いなと思っています。

それではこれにてインタビューは終わりにしたいと思います。
お忙しい中お時間をいただきましてありがとうございました。

株式会社ダイドー 腕用上向き作業用アシストスーツの情報はこちら https://daydo.jp/product-brand2/

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