職場の転倒・腰痛リスクを最小限に!企業が取り組むべき安全対策

職場の転倒・腰痛対策がなぜ重要なのか? ~最新の労災データと課題~

職場における労働災害の中でも、転倒および腰痛は特に発生件数が多く、企業の安全管理において最優先で取り組むべき課題です。厚生労働省の「令和5年労働災害発生状況」によると、転倒災害の発生件数は36,058件と依然として最多であり、前年より2.2%増加しています。また、転倒による平均休業見込日数は48.5日と長期化の傾向にあります。

さらに、重量物の取扱いや長時間の不適切な作業姿勢に起因する腰痛災害も、特に介護・製造・建設・物流業などの分野で問題となっています。これを受け、厚生労働省では「第14次労働災害防止計画」において、転倒災害の増加抑制や腰痛リスクの軽減を目標に掲げ、各企業が指針に則った安全対策を講じることを推奨しています。

厚生労働省の第14次労働災害防止計画に基づく目標(令和9年まで)

  • 転倒災害の年齢層別死傷年千人率の増加に歯止めをかける
  • 転倒による平均休業見込日数を40日以下に短縮
  • 腰痛リスクの高い作業に対し、作業負担軽減策を強化

しかしながら、転倒・腰痛のリスクを本質的に減少させるためには、環境要因への対策だけでなく、作業者自身のフィジカルコンディションを適切に管理し、向上させることが不可欠です。当社では、厚生労働省の指針を踏まえた上で、転倒・腰痛災害を防ぐために、労働者一人ひとりのフィジカルチェックと運動指導の重要性を提唱しています。本記事では、厚生労働省の指針に基づく対策に加え、作業者の身体機能向上に焦点を当てた具体的なアプローチについて解説します。

転倒・腰痛災害の発生原因 ~環境要因と作業者のフィジカルリスク~

転倒・腰痛の予防対策を効果的に実施するためには、その発生要因を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。これらの労災は主に「環境要因」と「作業者のフィジカルコンディション」によって引き起こされるため、それぞれの側面からのアプローチが必要です。

(1) 環境要因によるリスク

転倒・腰痛の多くは、職場の設備や作業環境の不備によって発生します。代表的な要因として、以下の点が挙げられます。

  • 滑りやすい床、段差、不適切な作業エリア設計
  • 照明不足による視認性低下
  • 作業動線上の障害物の存在
  • 長時間の立ち作業や中腰姿勢による負担の蓄積
  • 重量物の持ち上げや運搬による作業負荷の増大

このような環境要因に対して、厚生労働省では「転倒リスクチェック表」や「腰痛予防指針」を活用し、職場ごとのリスクを評価し、適切な改善策を講じることを推奨しています。

(2) 作業者のフィジカルコンディションによるリスク

環境の整備が進んでいても、作業者自身の身体機能が低下していると、転倒や腰痛のリスクは大きくなります。特に以下の要因がリスクを高めます。

  • 筋力低下によるバランス能力の低下(転倒リスク増大)
  • 体幹の弱さや柔軟性の不足(腰痛リスク増大)
  • 長時間労働による疲労蓄積
  • ストレスによる姿勢の悪化や筋肉の緊張

転倒や腰痛予防対策の指針では、作業負荷を軽減するための施策は推奨されていますが、作業者自身の身体能力を向上させるための具体的なプログラムには言及されていません。当社では、フィジカルチェックを通じて労働者の身体的リスクを把握し、作業負荷を軽減するための個別運動指導を提案しています。

厚生労働省の指針に基づく転倒・腰痛予防策と企業の取組み

〇厚生労働省の推奨する基本対策

厚生労働省では、企業が転倒・腰痛リスクを把握し、効果的に対策を講じるために、以下のツールを提供しています。

【転倒リスクチェック票】

転倒予防のための自己評価と測定シート
転倒予防のための自己評価と測定シート

📥 転倒等リスク評価セルフチェック票 ダウンロードはこちら

腰痛予防チェックシート

👉 転倒防止リーフレット ダウンロードはこちら

【腰痛予防指針】

職場における腰痛予防対策指針

📥 職場における腰痛予防対策指針 ダウンロードはこちら

これらを活用することで、企業は職場環境のリスクを明確にし、適切な改善策を導入することができます。

当社の提供するフィジカルチェックとコンディショニング指導の重要性

環境要因への対策だけでは、転倒・腰痛のリスクを完全に抑えることはできません。作業者のフィジカルコンディションを向上させることが、より本質的な予防策となります。当社では、以下の支援を提供しています。

(1) 転倒・腰痛リスクのデータ化とリスク判定

  • 作業環境・身体心理的コンディションの両面から危険度を分析
  • 転倒・腰痛リスク評価の結果をデータ化し、リスクレベルを分析
  • 作業場全体と作業者個別の現状を可視化してこの先のリスクを予測
転倒腰痛リスクを見える化する個別シート
職場の転倒腰痛リスクを可視化する全体レポート

(2) 作業者のフィジカルコンディション向上

  • フィジカルチェックを元にした個別コンディションを把握
  • パフォーマンス向上に向けた無理のない運動指導
  • 職場でも自宅でも継続しやすい作業者ごとの運動プログラム作成
運動指導で転倒腰痛リスクを減らすパフォーマンス向上シート

(3) 職場環境改善支援

  • 滑り止めマットの導入、作業台の高さ調整
  • 作業姿勢改善のためのアシストスーツ導入支援
  • 重量物取り扱い作業の省力化提案

転倒・腰痛ゼロの職場を実現するために今すぐできること

厚生労働省の転倒・腰痛予防指針に基づいた環境改善を行うことは、企業にとって重要な取り組みですが、それだけでは不十分です。転倒・腰痛のリスクを本質的に低減するためには、作業者のフィジカルコンディション向上が不可欠です。当社では、環境整備と並行して、作業者のフィジカルチェックを実施し、リスクを可視化し、個別に適した運動指導を提供することで、より実効性のある対策を支援しています。

企業の安全対策をより効果的なものにするために、まずは転倒・腰痛リスクの無料診断をご活用ください。お問い合わせをお待ちしております。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!